« 民主党市議団マニフェスト検証大会にご参加を! | トップページ | スコットランド住民投票から沖縄を想う »

2014年9月 7日 (日)

映画「NO」を鑑賞して

 映画『NO』(監督:パブロ・ラライン)を観た。

 映画の舞台は1988年の南米チリ。1973年9月11日の軍事クーデター以来、長期独裁政治を続けてきたピノチェット政権の末期。国際的批判の高まりを受けて、大統領信任延長の是非を問う国民投票が実施が決まり、「YES」「NO」両陣営によるキャンペーンが27日間にわたり繰り広げられることになった。

 当初、政権側は高をくくっていた。CMは一日15分のみ(しかも放映時間は夜中!一体誰が見る?)。そのうえ野党はバラバラ。もし万一、政権にとって望ましくない結果が出たとしても、それは押さえこめると・・・。こうした中で、「NO」陣営がCM作成を依頼したのは、ノンポリの(でも優秀な)若き広告マン。独裁下での人権抑圧をキャンペーンの中心とすべきとする政党側に対して、今必要としているのは、人々の心の中にある未来への希望に火をつけることだとして、譲らない広告マンのやりとりが描かれる。そして、虹のアーチのシンボルと「チリよ、喜びはもうすぐやってくる」という明るく軽快なテーマ曲を基調とするCMは、やがて大きく人々の心を動かしていく。映画では、危機感を感じた政権側が広告マンの上司を「YES」側のキャンペーンに起用し様々な妨害工作を行なう姿も描かれる。ついに迎えた投票日。「NO」の得票は55%を占め、軍幹部たちもこの結果を認め、軍政は終焉に向かった。

 映画は実話に基づいているが、もちろん「NO」のCMだけが、この結果を導いた訳ではない。左派、中道、保守に分かれていた17野党のうち16党が結束して、どうせ選挙をやっても無駄とあきらめていた有権者の一人一人を回って投票を呼び掛けたこと、不正選挙がおきないように投票箱のひとつひとつに立会い人を準備し、監視体制を整えたことなどである。「奇跡」はただ黙って起きたのではなく、こうした人々の努力によって起こしたものである。

 現代の日本にこの「NO」の示唆するものは大きい。

 

 

 

« 民主党市議団マニフェスト検証大会にご参加を! | トップページ | スコットランド住民投票から沖縄を想う »